6/20 グロースグロックナー
朝、空はどんより曇っている。晴れていれば待望の、今回の旅の最大のお目当ての一つグロースグロックナーだが。とにかく天気が気になる。とりあえず準備だけは進めていく。8:00にセンターハウスが開いた。受付嬢に聞いてみる。「今日午後は晴れますか?」
発音が悪いのか文法が悪いのか首をかしげられた。言い方を変えてもう一回トライ。「グロースグロックナーは晴れますか?」
受付嬢
「オ〜・・ なんとかかんとか〜っ・・ ベリーグ〜ッ!」
といってモニターを指差す。
今度はボク、「オ〜ッ!」
こうしてはいられない。山の上は晴れているゾ!
一気にテンションあがる。
国鉄駅前から9:25発のバスに乗る。1日にこれ1本のみ。ツェル・アム・ゼーとフランツヨーゼフへーエの展望台を往復する。うとうとして目が覚めるとバスはアルプスの真只中を走っていた。途中一箇所30分の休憩がある。天気快晴。素晴らしい眺めだ。しかしどれがグロースグロックナーか分からない。再び動き出す。ここからのバスの旅は生涯忘れる事はないだろう。ぐんぐん高度を上げていき、前後左右絶景に囲まれ、つづら折の山岳道路を標高2506mまで登っていく。この2506m地点はザルツブルク州とケルンテン州の州境にあたり、バスは向きを変え今まで右手に見えていた氷河を頂いた山脈の裏側へ回りこもうとしている。スケールの大きさに完全に圧倒されてしまった。左手にハイリゲンブルートと思われる谷、明るい緑と残雪のコントラストが鮮やかだ。今年の2月初めてアイガーを見たときの感想、「日本アルプスの方がきれいじゃん・・」
この考え方、いかに浅はかであったかを思い知らされた。一旦1950m地点まで標高をさげてまた登っていく。写真で見覚えのある山、グロースグロックナー3797mと巨大な氷河が見えてきた。こういうふうになっていたのか。ヨーロッパ・アルプスの東に大きな氷河をまとった山があることはずいぶん前から知っていた。写真などでも見ていた。ただその山がオーストリアの最高峰である事と、山名を知ったのは最近だ。標高2370mのフランツヨーゼフへーエ展望台で3時間ほど停車する。展望台には大勢の観光客がいた。バイクツーリングの客も多くそのバイク半分くらい日本製。しかし日本人はいない。ケーブルカーでパステルツェ氷河の末端まで下りてみる。全長10キロの大氷河だ。このグロースグロックナー、険しい山だがどこか優しげな表情を持っており、姿形は似ていないがこの雰囲気、日本の北岳に似ていると思った。ボクはこういう山が一番好きだ。
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