H18年冬  ヨーロッパ・アルプス 初めての海外旅行


2/11

その時は突然やってきた。ボクの人生で初めての経験。「おカネとヒマがある」 という状態。2/1から一ヶ月の休暇をもらえることになった。そのいきさつは省略。せっかくの休暇だらだらしてると体が腐る。旅行でもと考える。フラリと旅行会社へ。ヨーロッパまで往復7万6千円なり。即決! 出発は10日後。個人旅行。1人。外国初めて。いや、飛行機初めて。冬のアルプス。周囲から無謀との声を耳にしつつ準備に追われる。出発前夜徹夜で荷造り。2/11いざ成田へ。搭乗前の何やかやがめんどくさいと思った。11:40離陸。ウィーン経由チューリヒ行。飛行機は初めてなのでちょっと楽しみだった。しかしすぐ飽きる。そして苦痛に変わる。そしてこいつはまるで空飛ぶ監獄だと思うようになる。16:05ウィーン着。といっても現地時間なので12時間くらい飛んだ。

ウィーン! 初めての外国っ! 周りはみな外人。外人。外人。なんだか不安になる。外人がみんな敵に見えてきた。いや違うここではオレが外人なのだ。入国手続きはなし。ロビーで待機。こういうのは簡単でいい。たばこを吸う。吸い終わって灰皿へ入れる。しかし中に水が入ってない。煙が消えない。網の目から指を突っ込んで何とか消そうとしていたら近くにいた外人ちゃんが 「なんとかかんとか・・」 と言ってひょいっとタバコを渡してくれた。ボクがたばこを切らした可愛そうな奴と思って恵んでくれようとしたのだ。「いやいや、タバコあります。ノーサンキュー・・」 外人ちゃんにこにこして納得。「へぇ〜、外人って結構親切じゃん」 と思う。こんなことでなんとなく緊張がほぐれてきた。ファストフードでサンドイッチとオレンジジュースを頼む。しかし頼み方間違えた。サンドイッチとオレンジジュースとコーヒーが出てきた。

19:30乗換えの飛行機でチューリヒへ。一緒になった日本人女性と話しながら行く。スイスへの留学の下見で、パイプオルガンの勉強をするために行くという。20:55着。入国手続きは簡単なものだった。タクシーの運ちゃんに日本で予約したホテル名と住所を書いたメモを見せた。「ここへ行きたいです」 10分位で到着。チップ払うの忘れてた。後で気がつく。運ちゃん道理で不機嫌だったわけだ。もう 「ごめんなさいね〜」 しかないではないか。そしてチェックイン。きれいなホテルだった。


2/12


グリンデルワルトとヴェッターホルン

メンリッヒェンよりヴェッターホルンとシュレックホルン

メンリッヒェンよりアイガー(左)とメンヒ

ユングラフウ〜ラウターブルンネン・ブライトホルン

ラウターブルンネンの谷

このホテル朝食もおいしい。値段もお手ごろ。かなりいい印象である。チェックアウトをすませ再びチューリヒ駅へ。タクシー降りるとまさしく右も左も分からない。カウンターのおばちゃんとか掃除のおねーさんに電車の乗り場を聞く。ボクは英語は苦手なので中1の一学期に習うような簡単な作文で聞く。こいつが結構通じてうれしくなった。相手のしゃべる事は半分位しか分からないがいかにも全部分かったふうにしてまっすぐ通路を進む。左に曲がってエスカレーターを降り今度は右に曲がって少し行ったところに鉄道の窓口があった。スイスパスのバリデーションを済ませインターラーケン行きの列車に飛び乗った。

初めてのヨーロッパの鉄道! あたりまえだが日本と外の景色違う! ガキの頃初めて山手線一周してワクワクしたあの感覚! 気分良し。
列車はベルンで左に大きくカーブして、トゥーン湖の縁を走ってインターラーケンに着いた。ここで国鉄から登山電車に乗り換える。いよいよアルプスの山に近づいてきた。この乗り換えるとき、重いスーツケースを抱えながら一旦ホームの地下へ下り別のホームへ階段で上がろうとしたとき、通りがかったおばちゃんに 「こっちよ、こっちよ」 と声かけられた。その「こっち」にはスロープが伸びていた。荷物をころがして行ける。見知らぬ土地ではこんなちょっとした親切が大変嬉しく感じられる。そしてグリンデルワルト行きの電車に乗った。

うとうとして目が覚めると写真で見覚えのある山。アイガー3970mとヴェッターホルン3701m。本当に子供の頃から憧れていた。しかし感激はなし。初の個人での海外旅行ということで、緊張による疲れからか美しいものをみてきれいだと感じる機能が低下していたのかもしれない。この時の正直な感想、「日本アルプスの方がきれいじゃん」
駅に着いた。方角が分からず地図で確認するとホテルは近くだった。正午くらいだったが天気はいいので荷物を預けてメンリッヒェン展望台まで行ってみることにした。

登山電車でひとつ先のグルントまで行き、ゴンドラリフトで標高2239mへ。さすがに視界も良く最高だ。このゴンドラの中でスキーヤー夫婦に話しかけられる。地元の人らしい。「どこから来ました? 天気が良くて良かったですね」ってな感じだ。ボクが途中駅で間違えて降りそうになったときこのご主人は教えてくれた。ゴンドラ終点で写真も撮ってくれた。握手してお礼する。メンリッヒェン山頂2345mまで歩いて往復する。距離は短いものの凍っていて滑りやすい。展望台のレストランで昼食。シチューのようなものだがおいしかった。コーヒー頼んだら発音が悪かったのかコーラが出てきた。展望を楽しんで再びゴンドラで下る。グルントの駅にレンタルスキーの店があったのでちょっと偵察。来て分かったことだがアルプスは冬が最盛期でスキー客等でホテルはどこも満室らしい。ただしこの時期日本人はほとんどいない。スキーヤーが気持ちよさそうに滑っていくのを見てボクもやってみたくなったのだ。しかしもう10年もやってないし明日の予定も決めてないのでホテルへ戻ってゆっくり考えることにした。

夕食はレストランだがここで困った。メニューがドイツ語でさっぱり分からない。英語なら雰囲気で分かりそうに思えるが、適当に指さして頼むとイメージと違うものがでてきた。ホテルへ戻り翌日どうするか思案。シルトホルンが面白そうだが行き方が面倒のようだ。ほかの候補はユングラフウヨッホとフィルスト。思い立って10日で来てしまったのでこまかいことは決めてないのだ。結論でないまま寝る。


2/13

シルトホルンに決めた。行き方は先ず登山電車で4つ目のツヴァイリュチーネンへ戻り、乗り換えてラウターブルンネンまで行く。ここからバスでシュテッヒェルベルクへ行きロープウェイを4本乗り継いで標高2970mの展望台へ。いかにも大変そうだが1日かけてゆっくり行けばいいと思った。実際行ってみるとそれぞれの乗換駅での接続はよく意外と簡単に目的地へ行けた。360度の大パノラマが待っていた。生きてて良かったと思うほどの絶景だった。


左からアイガー3970m メンヒ4099m ユングラフウ4158m

左からミッタークホルン3895m グロースホルン3762m ラウターブルンネン・ブライトホルン3782m
日本を発つとき “冬のアルプス、3000m” ということで防寒にはずいぶん気を使った。しかし実際来てみるとたいして寒くないのだ。もちろん暖かくはないが思わず拍子抜けだ。日本の冬山で3000mといったら決死の覚悟が必要になる。冬型の気圧配置で太平洋側でも高山になると体が飛ばされそうな強風にさらされ、晴天率は高いものの体感温度はかなり低い。さらに日本海側だと連日の吹雪で尋常な世界ではない。ここは日本より緯度が高くしかも3000m。不思議な感じだが天候が安定している。日が照っていて風がほとんどない。気温は低いと思うが体感温度はさほどではないのだ。2700m位にあるレストランのテラスで素手で食事をとったが大丈夫だった。逆にチューリヒなど平野部では冬の期間厚い雲に覆われているらしい。

行きにシュテッヒェルベルクでロープウェイ4区間の往復切符を買ったが、なぜか帰りは途中駅までしか使えなかったのでそこからミューレンまで歩いていった。10〜15分の距離だがここがまた景色の素晴らしいところだ。ミューレンの村はグリンデルワルトのように俗化されておらずいい感じだ。グリュッチェアルプまで単線の雰囲気満点な電車で行く。この車窓がまた素晴らしい。そしてケーブルカーでラウターブルンネンまで下りていった。

ホテルにもどったら支配人らしき人から 「エニシングオーケー?」 と聞かれたのでオーケーと答えて素晴らしい景色だったと言った。この人いつもにこにこしていて感じがいい。

 

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