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H25年 1月 〜 今年の正月の北岳は大寒波と軽い凍傷で標高2000mにも達せず敗退。GWの白砂山は季節外れの冬型で標高1500mの野反湖でゴウゴウと吹雪いてしまい敗退。2度ともロープウェイや車を使い写真だけ撮ってくるというスッキリしない結果に終わった。 6月、気分の晴れないなか北アルプスの準備に追われる。折立から黒部五郎、三俣、水晶、野口五郎と稜線をUの字に描いて縦走するというのはI氏の昨年からの強い意向だった。僕としては黒部源流は一度は行ってみたいところではあったが、むしろ東北の朝日連峰に惹かれていた。しかし今回はいろいろ何やかやあって付き合う格好でいた。 しかしいつも連れていってもらう式のI氏にはどれくらいのアルバイト量になるか想定出来なかったようだ。僕は6月の時点で北アを希望通り歩くには3回は慣らし山行をやる必要があり、僕自身にとってもしんどい話で、それが無理なら新穂高からのルートにすべきとはっきり伝えてあった。それを了承のうえで 「目標は高く」 と言ったのはI氏の方である。にもかかわらず後日慣らし山行には行かない、しかし何としてもUの字を描きたい等と言い出し、計画は僕に丸投げ、これではいい加減不信感、苛立ちが募ってくる。過去表銀座でもプレ山行なしでひどい目にあっているので僕はとうとう 「丹沢表をやらないなら俺は行かない!」 と啖呵を切ってしまった。山登りのトレーニングはプレ山行が一番効果的で手っ取り早く、遭難防止の点でも優れていて、平地を歩く練習やランニングではやらないよりは全然マシだが思った程の効果は得られない。ラクして美しい景色を見るという考え方も当然アリだと思うし、その他の事情でプレ山行が出来ないならそれなりのコースを選べばいいだけのハナシである。 6/28、単独で高尾山へ行ったが膝の不調で1往復が限界で、今年の夏山は慎重に慣らしていく必要があった。7/5の再トライではだいぶ楽になっていて、影信山まで少し余力を残して行くことが出来やれやれと思った。 北アルプスの慣らしに理想的なのは丹沢表尾根だと思うが、いきなりここを歩くことは出来ない。その下準備に適当な山がなかなか見つからなかったが、昨年御嶽山に一緒に行ったAさんからテントで編笠〜権現〜赤岳を縦走してきたとメールが入った。マジか? やるじゃんと思った。編笠の標高差は表尾根の下準備にぴったりでAさんは道は良いですとも教えてくれた。17日2人で編笠山に登ったが帰りの車中でまた一悶着起こしてしまった。僕はもう北アの計画は止めるべきだと思うようになっていた。朝日連峰の計画を平行して立て始めていた。2、3日してI氏から31日は丹沢に行けるようになったとメールが入った。しかし朝日連峰の計画は温存したまま31日をむかえた。当日、雨→曇り→雨のなか大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳〜大倉尾根をどうにか無事走破することが出来、これでようやく合格ラインに乗ったので朝日連峰の計画は破棄された。
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![]() 夕映えの八ツ。 |
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![]() 甲府盆地で車中ビバーク。朝焼けの白峰三山。 |
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![]() 白砂山も敗退。情けな〜(/o\) GW野反湖畔より。 |
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H25年 8/12 北ア黒部源流 折立 〜 薬師峠 |
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中日本エクスプレス(MKツアーランド)という会社の夜行バスで新宿から富山へ向かったがなかなか良いバスだった。富山から折立まで予約済の地鉄バスで行き、8:45頃出発、暑いから初日は半袖で行く。森林限界は低い。人は多く道はしっかり整備されている。 |
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なんなんだこりゃ!?
北ア最後の秘境と聞いていたが・・ |
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ニッコウキスゲと北ノ俣岳
山に若い世代が多くなった。90年代頃と比べると隔世の感がある。当時中高年の遭難が多くなったと言われていたが当然である。山には中高年しかいなかった。 |
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8/13 薬師峠 〜 三俣山荘 |
![]() 朝の北ノ俣岳 |
起床2:00、出発3:40。薬師峠から北ノ俣岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳を走破する登り1550m、下り1330mのハードコース。僕はテント泊でこれだけ歩くのは初めてだった。ここを歩き通せるかに今回の山行の成否がかかっていた。どうも膝の調子が悪くペースが上がらない。I氏は丹沢効果で例になく快調でどんどん先へ行ってしまい僕は頭に来てしまった。これではパーティを組んでいる意味がない。大声で怒鳴ってストップをかけさせる。
単に北アルプスといっても広大で地域によって景色、雰囲気が変わる。薬師峠〜黒部五郎岳は北アでは珍しい堆積岩で地味ながら味わいのあるコースだった。 |
![]() 黒部五郎岳のカール |
歩いているうちに膝の不調は気にならなくなってきた。黒部五郎岳の登りはきつかったが、堆積岩のカールの岩壁は写真とは違い迫力満点だった。しかし黒部五郎小舎への500mの下りは登り以上にきつかった。 五郎小舎で先へ行くか迷う。雲行きが怪しいのと疲れもあって僕は弱気になっていた。この下りで大分消耗させられたのだ。しかしここのところ黒星続きなので多少無理しても行ってしまい流れを変えたいという気持ちもあった。I氏は行く気満々だった。この気合いに気押される感じでズルズルと三俣蓮華に向かってしまった。 |
![]() コバイケソウと鷲羽岳(右) ワリモ岳 |
花崗岩の明るい雰囲気の景色に変わる。三俣中腹からガスのかかった鷲羽、マリモ、水晶は素晴らしかったが不気味な空模様が恐ろしく写真を撮る余裕はなかった。頂上を巻いて行く道もあるが富山、長野、岐阜の県境で立山、後立山、槍穂のジャンクションピークは是非踏んでおきたかった。五郎小舎から再び500m登りとうとう憧れの三俣蓮華岳に登頂、ガスで視界は無し。幸い雷は来なかった。2人とも疲労困ぱいでトゲトゲしい会話を交わしながら最後のガンバリで山荘まで下っていく。16:00頃、テン場はまた満杯で場所探しに苦労した。 |
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8/14 三俣山荘 〜 烏帽子小屋 |
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昨日はテントを担いでよくあれだけ歩けたと思う。しかし体力の消耗激しく翌朝少し寝坊してしまった。今日は待望の鷲羽岳のパノラマなので不甲斐ない気持ちだった。I氏に対してもバツが悪かった。昨日同様朝のうちは膝に痛みがあったが、歩いているうちに気にならない程度になってきた。 天気は文句なし、頂上で1時間くらい写真を撮りまくり、僕がなかなか去ろうとしないのでI氏は焦れていた。 この写真ちょっと欲張りすぎたか? 穂高を外して槍と北鎌、硫黄尾根、池でまとめた方が良かった。 いや、ちょっと待て、こういう絵は拡大しないとだめだろう。 |
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鷲羽岳より三俣蓮華岳(左)、丸山、双六岳、奥のとんがりは笠ヶ岳 |
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鷲羽岳よりワリモ岳と水晶岳(奥)
北アルプスらしい爽快な稜線。 |
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後立山連峰 左から2番目は白馬岳、右の双耳峰は鹿島槍ヶ岳。冬の僅かな好天のチャンスに鹿島槍を望遠で撮ってみたい。 もちろん間違えても登ってやろう等タクラんではならない。世界中見渡しても天気の悪さではワーストの部類だろう。 |
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水晶岳より雲ノ平。奥は昨日歩いてきた稜線。 |
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水晶岳より薬師岳
水晶岳に着いたのは10:30頃、頂上は狭い。まだガスは湧いてこない。上空まで高気圧が張っているのだろう。 |
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水晶岳山頂より
写真だと距離感がつかめないがかなりでかい。これは氷河だろうと思った。表面の雪を掘ったら古い氷の塊が出てくると思った。しかし野口五郎岳の稜線から見ると北アならどこにでもある小さな雪渓にしか見えなかった。 |
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赤牛岳(手前)と剱岳、立山(奥)
冬の剱の難易度はヒマラヤに匹敵するといわれる。地形が急峻で天気が悪すぎるからだろう。 |
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水晶小屋からザレた下りで緊張する。写真は右下を見たもの。地獄の底まで一直線だ。僕は登山靴を新調し、I氏にも靴底を張り替えるよう何度も言ってあったが正解だった。
東沢乗越からまた山の雰囲気が変わる。僕は先行して歩くようになる。昨日は勝手に先に行くな等とエラそうに言っておきながら自己中なものである。山男なんて所詮下界人と変わらないエゴイストなのかも知れない。I氏は大人の対応ですんなり了承してくれた。う〜ん・・ オレより人間出来てるじゃん・・ 要するに野口五郎小屋はキャンプ禁止で折角テント持ってきたのに高い金払って小屋泊まりはヤだから一気に烏帽子まで飛ばしてテント張っちゃおうというわけだ。 |
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野口五郎岳。写真だと見栄えしないがどっしりしたいい山だ。
真砂岳を巻いての登りは地図上では大したことないが1日の後半なのでかなりきつい。白ザレ、ゴーロと変化する道をひたすら歩きようやく野口五郎岳に到着。少し下った山小屋で長めの休憩をとる。 宿の予約を1人分キャンセルして16:00頃I氏を残し出発。積乱雲が心配だったが三ッ岳あたりで空が明るくなってきた。ここまで来れば気分的にそれほどきつさは感じない。出来ればヘッドランプを出す前に烏帽子小屋に着きたい。
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ゲゲゲ! また見ちった! これで2回目! 三ッ岳の稜線から500m位離れた信州側の斜面にいやがった。安全圏内とはいえ実に恐ろしい。クマ除けベルをボリューム全開にして周囲の警戒レベル7に上げて目的地へ向かった。 烏帽子小屋まで歩くと結構なアルバイト量になるが、高い金払わずにテントで寝れると思うと正月以来続いていたココロのモヤモヤが晴れる気がした。夕暮れ前18:30頃烏帽子小屋到着、指定地はまた満杯でお隣のテントにギリギリくっつけてやっと張れた。夕食は小屋に売っていたカップラーメンとポリッピーの小袋。予定外の幕営なので食糧を切らしていた。 |
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8/15 烏帽子小屋 〜 烏帽子岳往復 〜 高瀬ダム |
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烏帽子小屋より朝の景色。
烏帽子岳に登る途中道を間違え針ノ木峠への主稜線に少し入ってしまった。途端に整備されていない怪しげなワクワクする道に変わった。200mくらい行ったところで気がついて引き返した。
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烏帽子岳 頂上直下に急なクサリ場がある。下りの時一瞬路頭に迷ったが思い切って体を投げ出し靴底のフリクションを効かせたら安定して下れた。この方法なら冬の北岳の稜線を突破出来るかもしれない。 小屋に戻った時I氏と合流した。氏が頂上ピストンしている間小屋でカレーライスとカップラーメンを食べテントを撤収した。テントやシュラフは日に当たり乾いていたので昨日よりザックは軽くなった。 |
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I氏は野口五郎小屋スタートで烏帽子岳を往復しているので最後の下りはきつそうだった。昨日僕は勝手な行動に走ったのでこの下りはしっかりペースを合わせて行く。 今回は少々I氏の悪口を書いてしまったが、僕は若いころ車の免許を取るとき慎重過ぎると言われたことがある。氏のこのデリカシィに欠ける無鉄砲さを少しは見習うべきかもしれない。そうすれば冬の北岳に登れるかもしれない。 おっと・・ また悪口言っちゃった・・ 大町で温泉に入りあずさで帰ろうとして切符を買った。クレジットカードで支払った後、 「実は・・ 今大雨で電車止まってるんです。諏訪湖の花火大会で臨時の増発も多く・・ なんちゃらかんちゃら・・」 そ〜ゆ〜話は金払う前に言えよと僕はムカついてしまった。ここでもI氏は大人の対応をとっていたが・・ 松本始発の特急が待てど暮らせど動かず 「くそっ、バスで行きゃぁ良かった」 と地団駄を踏む。お盆の中央道のオニ渋滞を嫌ってお高いあずさの切符買ったのに何たることよ。でもまあこの状況では高速も止まってるかも知れないが・・ 車内アナウンスは同じことを繰り返す。「大雨の影響で発車見合わせております。再開のめどは立っておりません。お急ぎのお客様には大変・・」 乗務員もテンパッてるようだ。言うことが二転三転するようになる。5時間の待ちの後ようやく動き出した。たしか上諏訪の駅だったと思うが人であふれていた。花火大会はこの大雨で中止になり電車に乗りきれなかった人達のムカつきオーラが渦巻いていた。あぁ恐ろしや・・ 新宿に着いたのは午前3時。これに合わせて臨時の山手線が両方向に半周づつ動いていた。珍しい光景だったのでI氏はビデオに収めていた。貧乏な僕はここでセコい計算をやってしまう。道路は動いていてバスで帰ったとしよう。甲府あたりから地獄の渋滞に巻き込まれ新宿発の終電に間に合わなくなるおそれ出てくる。となるとマン喫で一夜を明かす料金が別途かかってくる。バス代3400円+1000円くらい。今回は特急料金2310円が払い戻しになったので乗車券3890円のみ。目出たく損益分岐点に510円上乗せの利益を計上し僕のムカつきはきれいに消えてなくなった。 |