4年越しの悲願達成は日が経つにつれ 「やった」 という気持ちになってきた。25字以内にまとめると、

駅のポスターにあるこのカーブと、

ギザギザを歩いた。

ツェルトで表銀座を走破出来たのも収穫大きかった。快適ではなかったが今後使える試みもあったので、飯豊、朝日等未知の山もいずれ登れるかも知れない。

しかし得てしてこういう後は落とし穴が待ち受けている。そこにすっぽりハマる愚を冒してしまうのである。


8/29 丹沢

中学1年のとき友人とキャラバンシューズにたしかGパン、遠足用のリュックサックという神を恐れぬいでたちで丹沢の新茅ノ沢を登った。ビシッと沢登りスタイルで決めたおじさんにガンガン怒られてしまったが特に問題なく遡行出来た。いつかワンランク上の水無川本谷を登ってみたいと思っていた。

あれから30年以上たち急にまた行ってみたくなった。西穂用に岩登りの練習してきたし体力もついているので今がチャンスと思い、地下足袋に草鞋という古典スタイルでフラリと入渓した。

F1。水流の左を登るが7割登ったところで進めなくなった。北アルプスの乾いた岩とは勝手が違っていた。下降も簡単ではない。クサリのついている巻き道から登り直した。

滝を一つ一つ写真撮りながら行こうなんてのんきに考えていたがそんな状況ではない。カメラをビニールに入れザックにしまいF2に取付く。左にクサリがあるが右の方が簡単そうだ。しかしやはり7割登ったところで行き詰まる。草鞋のフリクションがなんとも心細く感じられるのだ。左から登りなおすが濡れたクサリは思いっきり掴んでも滑る感じでこの沢を登っていく自信がゆらぎはじめた。

F2とF3の間にチョックストンのある水流多い小滝がある。この水流に阻まれ左から巻くことにした。判断ミスだった。崩壊で沢に戻れなくなり書策新道まで強引に登ることにした。足元の土がボソッ、ボソッと崩れて身の危険を感じる。自然を破壊しているではないか! なんとか這いつくばって書策新道に飛び出す。
とりあえずもうちょっと行ってみようと思ったがなんでもないところで転んで右ひじを痛めてしまう。これで完全にココロが折れてしまった。退却。

作冶小屋で地下足袋ぬいだらトドメの不運。「うわっ! 蛭だ!」 こいつにかまれると少量の出血だが何時間も止まらず 「今日はこういう日なんだ・・」 完敗。 

準備不足だった。保険も未加入で滝の登攀時腰が引けてかえって危険な体勢になってしまった。西穂では足腰鍛えてジム行って4年間でガイドブック片っ端から読みネットも見てDVD10回くらい見たというのに・・

 

風の吊橋。下を見ると、

こんな景色が広がっている。楽しそうで大変結構である。くれぐれも蛭にはご用心願いたい。

8/30 〜 31 富士山

今年の丹沢での成績1勝2敗。冷水を浴びせられた思いだった。いつまでもプーでこんなことやってたらほんとに罰が当たるんじゃないかという気になってきた。しかし性懲りなくココロの傷も癒えぬ翌朝小田急線とJRで御殿場へ行きバスに乗り換える。

ジャンに登れたことで日本の3000m峰完登が見えてきた。しかしもう一つ厄介な山がある。富士山だ。あの3776mという標高が問題なのだ。ヨーロッパ・アルプスでは高山病への弱さを露呈してしまったが今年は槍、奥穂と3200m級の山2つ登ってるので多少免疫ついてると思う。来年一からやり直すよりここで一気に登ってしまった方がはるかにラクなのだ(と自分を甘やかした)。

富士山の山小屋はペットボトル500円、カップラーメン600円もする。水2.5リッター担いで登るが2日目の行動食を忘れてしまった。愚!
須走口登山道の原生林はなかなかイケている。奥秩父や南アルプスとは樹相が違う。背の高いダケカンバが多くシラビソは少ない。足元は軽石でなんか違う世界の山登ってるみたいだ。
森林限界を超え、
ツンドラを登って行く。やがてこの草も無くなる。
雲がきれいだった。たしか6〜7合目。
富士吉田市夜景。8合目小屋より。標高3400m。登ってる時は高山病は平気だったが小屋でひと寝りしたら頭が痛くなった。激痛ではないがしつこい痛みだ。

相変わらず寝つきは悪い。こういう時は食べたほうがいい。600円のカップラーメンと400円の餅の入ってないカップおしるこを食べた。23:00〜1:30くらいまで寝たら痛みは和らいできた。行けそうだ。2:45出発。

な、な、なんなんだこりゃ!? 途切れることないヘッドライト!

8合目で吉田口と合流する。恐るべき大渋滞にハマった。大晦日の明治神宮か丸ノ内のイルミネーション並の老若男女+外人。東京ミッドタウンのイルミネーションはもっと空いていた。標高3600mでこうなるとオニのように苦しくなる。3歩あるいて2分止まる繰り返し。特別山に興味ないふうの人多い。OOツアーの団体もうじゃうじゃいる。この人たちなんでこんな苦しい思いして山登るのだろうか? そこに山があるから?

バックは八ツ。

田部井淳子さんは言っていた。「ご来光は山頂からでなくても見えるのです!」 しかし今日はなんとなく流されて来てしまった。それにしても3776mという標高は凄い。クンジェラブ峠より917m、アイガーより199m低いだけだ。
パノラマも凄い。いままで登った山を一つ一つチェックするのは楽しい。

金峰山(左)〜雁坂峠。手前右は黒岳、真ん中のちょこんと出てるのは釈迦ヶ岳。

うひょー! こっちも登った山いっぱい見える(^O^)/
手前から三ツ峠、滝子山、大菩薩連嶺。真ん中のポコッと目立つのは雁ヶ腹摺山だろう。旧五百円札の撮影地。奥の真ん中は雲取山、左は飛龍山。雲取からの富士は実に素晴らしかった。
宝永山
お鉢の底。白いのは雪。北西に平地と小さい火口がある。富士山の頂上は意外と複雑な地形をしている。東の火口壁は断崖絶壁、恐ろしい。
お鉢めぐりは1時間半かかる。剣が峯は50mほど登るが足が前に出ない。さっきの低酸素大渋滞でエネルギー吸いとられてしまった。

やはり山はちゃんと調べて登るのが礼儀なのだ。

フラリと来てはいけないのだ。

 

おーっ! 愛する南アルプス! 似たような写真ばかりになるので割愛するが塩見の奥に中央アルプス、北に目をやると北アルプスと八ツ。日本の屋根が絶妙な角度で連なっている。槍穂連峰はここ何年か通ったのでしばらくいいかなと思ってたが富士の頂から見るとまたたまらなく愛おしくなってきた。以前北岳が一番好きだと書いたがどちらの方がいいか分からなくなってきた。
そして愛する丹沢と山中湖。この手前に北富士演習場がある。8合目あたりでもドーン、ドーンと聞こえてくる。こんなところで税金のかたまりぶっ放すな! 富士山がかわいそーだろ!

一周して下山する。2890mから砂走りという猛烈な直滑降で高度を下げる。お腹はもって高いカップラーメン食べずに5合目まで下りることが出来た。

翌日知人宅に遊びに行った。来年は聖をやろうとのこと。実現すればいよいよ残り御岳と立山2つになる。もう一つ目標は冬の北岳。夏に4回登っているが冬は単独では容易に近づけない。ガイド山行に参加するなり死ぬまでに一度あの憧れの頂に立ってみたい。

その前に今度こそマジに就活しなければ・・

 

 

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