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8/21 北ア 上高地 〜 穂高岳山荘 |
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歩き出してわずかなところで4年ぶりにあの信頼おける
“プラス思考” が囁いた。「岳沢から登れ」
急きょ河童橋を渡る。
湿地帯を越え、 |
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一気に穂高岳山荘を目指す。 |
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上高地と乗鞍岳。 |
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右から奥穂高岳、ロバの耳、ジャンダルム、天狗の頭。 |
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右から天狗の頭、間ノ岳、西穂高岳。 |
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前穂は高度感ある岩場がありキレット前の穂先に似て足慣らしにちょうどいい。しかし今日は登り1700m下り200mの行程なのでこれ以上ガソリン使いたくない。ガス欠で明日エンジンかからなくなったら大変なのでなる。じーっと上見て悩んでたら山ガールから 「どーしたんですか? ここまで来て行かないんじゃ勿体ないですよね、私はもちろんいきますよ〜、行くなら空身の方がいーですよ〜」 と息まくられた。山ガールの誘いを拒否るのは大変辛かったが 「すいませ〜ん、やっぱ、やめときます」 先を急いだ。 |
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吊尾根ってこんな険しかったか? ガス欠寸前の身にはこたえるのである。しかしクサリには頼らずオール自力でガンバッてみた。
吊尾根より奥穂〜西穂の稜線 (2007年撮影) |
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おーっ! 憧れのジャンよっ! 馬ノ背の手前まで偵察。これ、行けるんとちゃう? 落ちたらお陀仏に変わりないが東鎌のハシゴはもっと両サイド地獄の底まで落ちていた。99年地震で巻き道が崩壊したため稜線に変更されたとのこと。新しいガイドブックには 「ピークから15mほど垂直のはしごを下る」 しか書いてなかった。だから聞いてなかったのである。あんな恐ろしいハシゴは初めてだったのである。ボクは朝は大の苦手だし風も強いだろうから今下まで行って “行けた” という実績を作ってしまいたかった。しかし僅かでも余力を残して山荘に入りたい。やはりここもパスして先を急ぐことにした。 |
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8/22 穂高岳山荘 〜 西穂高口 |
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布団に入って5分でいびきをたてる人がいる。ヒューとかポーなんていうのも聞こえてくる。昨日は夜行バスで来て重労働したのに一向に眠くならない。眠れないと焦るのがダメで寝たフリするだけでも結構疲れは取れるというが・・ 意識不明になったのは3時間ほど。朝、明らかに昨日の疲れが残っていて頭がボーッとして最悪のコンディションである。まいったな・・ 今日は長丁場で雷雨が来る前に行ってしまわなければならないので遅立ちは許されない。5:10出発。奥穂山頂まで自分の体でないように感覚がない。そして力が入らない。 |
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脳みそに血が通ってない状態で6:10奥穂発進。いきなし最難関馬ノ背突入!
昨日とまるっきり見え方違う! 冷たい風吹いている。 ひぇ〜っ!
ムリムリムリ! マイナス思考が吠えまくる。「オマエは1日ずっとこんなバカなことをやるのか? さっさとやめて家帰っちまいな」 そーだよなぁ・・ アホらしーよなこんなの・・ 危うく言いなりになる寸前でプラス思考が 「目の前を見ろ!」 手掛かりはある。足場は・・ ちょっと遠いがある! 傾斜は垂直ってわけじゃないしかし・・ 両サイド落ちてて幅が狭い。ソロリソロリ・・ わずか25mというのが200mに感じられる。なかなか終わらないこの馬ノ背。やっと下まで下りる。 ふ〜っ・・ 生きてる・・ |
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これで眠気がぶっとんだ。全身に血が通いはじめた。こうなるといままでの弱虫とは別人になるのである! 次なる難関ロバの耳。長谷ピー後の泣きみたいにあっけなく通過。おっと、速攻訂正。第2ラウンド凄まじい壁出てきた。こんなん登れないじゃん・・ と思いきや落ち着いて見るとなんとか行けるようになってる。ここでは死んでも石を落してはならない。自身も頭上の警戒を怠ってはならぬ。写真は2つ上の写真の真ん中を拡大。道幅10〜30cmくらい。この後もこんなのが当たり前のように出てくる。
しかしこのトラバースはクサリがあるのでコワくないのだ。この上のジャンの左を巻くトラバースの方がクサリがなく手掛かりもあやしいところがあり嫌だった。 おおおっ! 憧れのジャンがもう目と鼻の先だ! |
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やったーっ! とうとう登ったぞ! マジめっちゃ嬉しーぜ! |
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白馬岳が見える
いままでお世話になった山も、 |
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これからお世話になりたい山も、
みな総出でボクの “快挙” を祝福してくれた(ように見えてしまった)。 |
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ジャンから見た奥穂。ロバの耳を拡大すると登ってくる人が見える。形容詞不要。 |
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コブ尾根ノ頭〜天狗ノコルへの大下り。短いリッジ、不明瞭はあるものの気分爽快な300m一気下り。岩稜縦走が楽しくなってきた。
奥から西穂高岳、間ノ岳、天狗の頭。 |
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DVD見てヤだな〜、こんなの、と思ってたがクサリがあり傾斜も若干緩いので大丈夫だった。昨日とうって変わって容赦なくクサリに頼る。そのほうが安全、安心、迅速なのだ(傷んでなければ)。どこの会社にもいる要領のいい社員みたいにラクして多くの実を得る式で行かないと最後までもたないのだ。 |
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吊尾根 |
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今下ってきた道。いいペースで来ている。南岳〜北穂間は4時間もかかってしまいそれ以上歩けなかったのでそれなりに進歩している。写真撮るの忘れたが天狗ノコルから登りはじめはハング気味の壁でちょっと難しかった。4年前だったら登れなかっただろう。クライミングジムの成果が出たところだ。腕力でグイッといく。
7000円の某靴店オリジナルの登山靴もどきはなかなか足に馴染まず不満だった。槍沢でも足を痛めてしまったがここへきてようやく痛まなくなってきた。逆に岩場ではグリップ良く幅1〜2cmの足場でも微動だにしない。こうなると愛着感じるようになる。 |
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天狗の頭より間ノ岳2907m |
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有名な天狗ノ頭逆層スラブ。実際は見た目より傾斜は緩い。しかしクサリがなかったら下りられないかもしれない。すれ違いがやりにくい。拡大するとこんなふうに人がいる。 |
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ちょっと遠めから。逆層スラブは美しい。もういっちょ拡大 |
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間ノ岳。なんて恰好した山なんだ? これは! 抜きつ抜かれつしていた4人(2人組と1人、1人)と仲良くなった。同じ苦労してるので仲間意識が強くなる。しかし困ったことにボクがルート間違うとみんなつられて間違えてしまうのだ。それが原因で事故られたら責任感じてしまうではないか。ルートファインディングの弱さを露呈してしまった。
ペンキ印はちょこちょこあるものの肝心なところについてないような気がする。しょっちゅう道を間違えてた。 |
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間ノ岳は山頂直下に急な岩場がある。浮石が多いと聞いていたが全然ふつうだった。と思いきや下りで大量発生! 見た目しっかりしてるっぽい石でも踏むとグラッとくるのがいくつもある。しかも道間違えやすい。写真は西穂側から。このまん中へんを通っているが不明瞭。要注意。 |
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奥の尖ってるのが西穂。いよいよ終盤である。もはや怖いという感覚はないが以前この辺で死亡事故起きてるらしい。油断も隙もならない。
西穂山荘に泊まる予定だったがこのペースならロープウェイ間に合うかもしれない。ヒマはあるけどカネはないので宿代一日浮かせられればでかいのだ。 |
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顔疲れ切ってる。しかしまだ終わりじゃない。独標までは大して変わらない道が続くと聞いている。行ってみると独標の下までヤらしい岩場あるではないか! その後は高尾山みたいな幸せな登山道と思っていたのが甘かった。ガラガラの丹沢下りで要するにこのコース最初から最後まで浮石天国なのである。丸山からようやく幸せな登山道になった。荷物重くしたくないから相変わらずヘルメットかぶったままなので対向者から 「すごいですね」 とか 「おめでとうございます」 など祝福を受ける。ボクは元来人からイヤミを言われるのは死ぬほど嫌いでホメられるのは大好きな人間だが疲労困ぱいで嬉しいという感情が起こらない。頭の中は 「早くロープウェイ、ロープウェイ」 しかないのである。 |
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西穂山荘に泊まればあの仲よし4人と盛大な祝勝会になるだろう。しかし何度も言うがヒマはあるがおカネはないのである。後ろ髪ひかれる思いで山荘を後にした。ロープウェイ駅15:00着。観光客多い。
逆コースはもっと大変だと思う。西穂、間ノ岳、天狗の頭、ロバの耳等の傾斜のきつい岩場が全て下りになるし、だらだらの大下りを逆に登らなければいけない。疲れがたまった頃ロバの耳と馬ノ背が待っている。馬ノ背が登りになるのは救いだが午後の雷雲とにらめっこになる。雨風強い時なんか歩けたものじゃないから多少風強くても朝一に下ってしまった方がいい。 |
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下までおりバスが来るまで1時間あったので温泉につかった。白濁、湯の花、硫黄匂の痛めつけられた筋肉にとても優しいお湯だった。ボクは大して温泉通ではないが今までのお気に入りは丹波山村ののめこい湯と奈良田の七不思議の湯。多摩テックにもいい温泉があったが閉鎖されてしまったのは残念だ。しかしこの新穂高温泉のお湯はそれらを凌いでいる。すっかり気に入ってしまった。半日くらいのんびりしてもいいところだと思った。 ようやく念願かなったがバスの乗り換えなど慌ただしく渋滞もあり実感が湧いてこない。中央道も30キロ詰まったが新宿からの終電には間に合った。 しばらくこういう闘う山はお休みして、高山植物いっぱい咲いてて温泉あり命の保障された癒しの山に行ってみたい等と今は思っているが、またすぐ気が変わるかもしれない。 |