H22年 4/1 〜

「おカネがなくてヒマがある」 という状態とまた縁を結ぶことになってしまった。4/1から有難くない長期のお休み。そのいきさつは省略。就職活動しながら入笠山、三ツ峠等ちょこちょこ登り、梅雨明け頃から奥穂〜西穂に行くか迷いはじめた。45歳。体力に自信はなく、逆にこのまとまった休みは最後のチャンスになるかも知れない。


7/中 〜

就活を一旦休止して山に集中する。丹沢でトレーニング開始。大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳を目指すが稜線に出た頃積乱雲活発になり、行者ヶ岳を過ぎた頃いやな予感がして水無川に下りることにした。雷は来なかったがいやな予感の正体はあの忘れかけていた右ひざ痛だった。敗北感とともに市道53号線を下りて行った。そういえば2年前は高尾山〜相模湖を歩いた後だから大丈夫だったのだ。いきなりでは歩けないコースなのだ。数日後再トライ、無事走破するも目一杯でモチベーションいまひとつ上がらない。さらに数日後テント泊を想定した荷物で高尾山を2往復する。


8/4 〜 8/7  北ア 燕岳 〜 槍ヶ岳

8/3夜、去年から約束していた燕〜槍縦走に出かけていった。なにしろヒマはあるがおカネはないのである。西穂のトレーニングも兼ねて僕だけテント泊にさせてもらった。しかしこのコースナメてかかるとちょっとヤバそうである。テントはやめてツェルト+ストック2本+張綱で行くことにした。寝具もシュラフカバーのみとしこのさい快適さは捨てて気合いを入れて軽くすることにした。


8/4午後燕山荘より。ここでもう1泊。
8/4朝、1日目大天井、2日目槍の予定で中房温泉を出発する。しかし燕からのパノラマは予想以上に素晴らしく足が止まってしまった。1泊追加。ツェルトでの野営は思わぬ注目を集めたが不快指数200%の夜を過ごすことになってしまった。風で生地が揺れると中の結露が飛び顔にかかる。隙間から砂も入りこんでくる。こんなんでもし雷雨来たら小屋に逃げるしかない。夜半寒さで目が覚めた。着るもの全部着てゴアの雨具も着てシュラフカバーに入りホカロン入れてなんとか夜を明かした。ゴアのテントの有難さが良〜く分かった。

2009年 8/12 16:03
トイレに 「熊が出没しますので残飯等は捨てないで下さい」 と書いてあった。実は昨年蝶ヶ岳でとうとう熊を見てしまったのである! ヒュッテから蝶槍まで散歩に行く途中興奮した女性が 「あそこに熊がいます!」 「え? どこですか? どこどこ? 見えませんよ。あ、いた!」 写真は拡大したもので距離は200mくらい。出来れば生涯出くわさずに済ませたいと思っていたが見てしまうと何とも言い難い感動と衝撃を覚えた。その後いなくなったので再び蝶槍に向かったが嫌な予感がして引き返した。そうしたら帰り道でまた遭遇してしまったのである! 距離およそ50m! もろ敵の射程圏内入っちゃってるじゃん! 1人でアホみたいに 「来るなよ! 来るなよ! こっち来るなよ!」 大声でわめきながらヒュッテまで走って行った。こういうのかえって刺激を与えて良くないかもしれないがそれしか出来なかった。

8/5快晴。北燕岳まで往復する。左端に槍穂連峰、右端に剱立山がひときわ高く、中間に双六、丸山、三俣、鷲羽、ワリモ、五郎、三ツ岳等、北アルプスが横いっぱいにズラーッと拡がっている。右やや後ろに針ノ木、蓮華、鹿島槍。ガイドブックの写真を見ても特別いいとは思わなかったから僕は表銀座にあまり興味はなかった。今回は知人に付き合わされてやって来た格好だが、写真では伝わり切らないもので単純な比較は出来ないが、今まで見てきた “いい景色” の中でも3本の指に入るものだと思った。


8/5黎明

燕山荘より槍が岳。望遠で撮影。

燕岳2762m

北燕岳。バックは後立山連峰

大天井岳2921m 稜線漫歩

立山3015m 剱岳2999m 針ノ木岳2820m

拡大1  拡大2

あああ
ツェルトを撤収して8:00頃燕山荘出発。大パノラマを満喫しながらの縦走となる。西岳ヒュッテは満員のため今日は大天荘までの短い行程。同行者は小屋泊まりだがここで思わぬチャチャが入った。水俣乗越から大曲りは道が悪くて歩けないと言うのだ。となると悪天候時に逃げられなくなるがガイドブックには良く踏まれた道と書いてある。小屋の人に聞くと乗越からのルートは問題ないとのこと。どうやら西岳ヒュッテの旧ボッカ道というのがもう1本あってそこのことを言っているらしい。予定通り行くことにした。

8/6晴れ。5:00頃出発。槍穂連峰がかたちを変え大きく見える。大天井ヒュッテまでガラ場を下りしばらく歩きやすい水平道を行く。西岳ヒュッテでは山ガールが 「槍ってかっこいいね〜」 と言っていた。いよいよ核心部へ。水俣乗越2480mまでハシゴ、クサリのある急斜面を200m下り、しばらくこまかいアップダウンを繰り返す。何これ? ちょっと、やめてよ! 2595mピークから両サイドズバーッと落ちた垂直の長いハシゴ。同行者はスイスイ下りて行くが僕は最初の一歩がなかなか踏み出せない。高所恐怖症のくせについ下を見たくなってしまうのだ。見ずにはいられないのだ。一瞬引き返そうなどよぎったがそんなダルいことやってらんないからエイヤッとばかりに下りて行った。こんなんでビビッてちゃ西穂行けないじゃん・・ 2570mのコルから3080mの肩まで一気に高度を稼ぐ。2700m位から同行者が遅れだした。こちらはプーにもの言わせて準備万端で来ているがあちらは多忙でぶっつけ本番なのだ。ヒュッテ大槍 (2006年撮影) から爽快な稜線歩きになるが空はゴロゴロ鳴っていて気が気ではない。黒々とした槍の穂先の左下を巻きながら登って行く。槍沢ルートと合流して間もなく15:00頃槍の肩到着、雷は来なかった。ツェルトを張って一段落したころ晴れ間も見えてきたので穂先に登ることにした。4年前はビビリまくったが今回は多少コワいもののすいすい気持ち良く20分で登頂。帰り調子に乗って不覚にもラクを落としてしまった。大声で 「すいませーん」 すぐ 「大丈夫でーす」 くわばらくわばら。はたしてこの状態で西穂へ行ってしまっていいのだろうか?


大天荘より穂高岳3190m

南岳〜槍ヶ岳

西岳ヒュッテより南岳〜槍ヶ岳の斜面

拡大画像

槍沢

東鎌尾根より

槍ヶ岳山頂より大喰岳(右) 中岳(左) 

殺生ヒュッテより

8/7上高地へ下山。


8/8 〜

燕へ行く前に山用の傘のフレームが折れたためメーカー直営店に持って行った。そこには素晴らしいクライミングの壁が設置されていた。生田のクライミングジムで3度練習していたが何か物足りずこの体験クライミングをやってみることにした。見た目は簡単そうだがはっきりした手掛かりの少ない自然の岩に似た垂直の壁だった。ロープで確保してもらって登るが3分の2程来たところで手も足も出なくなりギブァップ。再トライしたが握力がなくなり同じところでギブァップ。なんとも悔しい気分である。2日後リベンジに来たら先着の親子が登っていた。先に小学生くらいの女の子がトライしていたが下の約2mで 「こわ〜い!」 と言って固まってしまい、父親は僕と同じところで 「うわーっ」 と声を上げて2度も墜落してしまった。この壁ギャラリーの前で登るのは鬱陶しいが見てる方は参考になるのである。今度は慎重にルートをチェックして僕の番。前回登れなかったところが登れるようになったというのがクライミングの醍醐味なのだろう。てっぺんまで到達。時間は短いものの低額で実戦的なトレーニングが出来たと思った。

8月後半太平洋高気圧が盛り返してきた。朝鮮半島の高気圧と合体して僕が中学2年のとき以来(記憶では)の最強の気圧配置になった。日本列島を猛暑が襲っている。台風は来ない。おカネはないけどヒマはあったのでトレーニングOK。膝の調子はあまり良くないがまあ何とかなりそう。大キレット前ほどテンション高くないがショップの壁を登れたことで気持ちは前向きになっている。いよいよ時が来たということか?

 

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