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8/1 〜
その時は不本意にやってきた。ボクの人生でよくある経験。「おカネがなくてヒマがある」 という状態。8/1から一ヶ月の有難くない夏休み。そのいきさつは省略。せっかくの休暇だらだらしてると体が腐る。奥穂高岳〜西穂高岳縦走を計画。
昨年もその前の年も “行けたら行く”
ということで計画していた。しかし一昨年は北穂高小屋に着いた時点で “もーうんざり”
南稜から下山。昨年は体力不足で膝に不安があり吊尾根から下山。10月、八本歯のナイフエッジではあまり怖さ感じず高度感に免疫ついてきたよう。となるとあとは体を鍛えればいいということか?
今まで目標にしていた日本三大雪渓、三大キレット、三大峠は、残り剱沢雪渓のみとなり、正直もうどうでもよくなってきた。新たに芽生えたタクラミは冬の北岳、あと6つと迫った日本の3000m峰28座完登。ここまではなんとか自力でやってみたく、岩の鎧で立ちはだかるジャンダルムは避けて通れない。
8月10日頃の天候の安定期を狙って突貫工事で体を作る。7/20は高尾山に登っているので8/4は丹沢で調整。大倉でバスを降り、いつものコースでは物足りず表尾根を目指す。しかし三ノ搭の登りで意識朦朧となるくらいバテてしまう。晴天時は地獄と化す稜線も曇りなので意外と天然クーラー効いている。表尾根はアップダウン多くいやらしいガラ場の下りもあり練習には都合いい。大倉尾根の下りはストックを使い膝は痛くなりそうでならず無事下山。しかし翌々日腰痛に苦しみ、次の日膝の別の箇所が痛み階段昇り下りも困難になってしまう。きついコースに違いないがこんなにボロボロになっているようじゃ、あの断崖絶壁、ナイフエッジ、浮石落石逆層何でもありの長丁場に堪えられない。奥穂
→ 西穂にするか反対にするかも結論出ず8月後半にアタックを延期。
8/10再度同じコースを歩く。雨が降りそうで降らない絶好の丹沢日和。天然クーラーばっちし効いている。前回より強くなっていてガラ場の下りも安定して歩け、大倉尾根ではストック無しで他者を抜きまくる。下山後もさほど痛まずクライミングジムは8/6、9、13と通いまずまずの仕上がりになった。奥穂〜西穂はどちらから行っても難易度変わらずジャン〜天狗のコルが下りになる奥穂発の方が所要時間短く、午後の雷雨も考慮しこちらに決定。いずれにしても国内最強の縦走路に変わりなく、これでやっと合格ラインギリギリといったところか。あとは1日通して天気がいいことが必須条件。
しかし気圧配置なかなか安定せず17日4度目のジムで左肩を痛めてしまう。19日白馬岳の事故のニュースもあり何となくモチベーション上がらない。どうもこの降って湧いた夏休み、負のスパイラルにハマっているようで、こういうとき無理にコトを起こすとロクな結果にならない。と思いつつ穂高への執着心は簡単に断ち切れない。
8/20知人から鳳凰か仙丈に行きたいがどちらがいいかと聞かれ答えに窮しているうち、「じゃ、一緒に行きますか」 という方向に話は流れていった。この知人とはかなり以前から山行話あったがいままで都合が合わず一緒に山に行く機会はなく、今後もいつ行けるか分からず、南アルプスの誘惑もあってようやくここは成り行きに従うべきという気になってきた。
8/25 北沢峠 〜 馬ノ背ヒュッテ
雨の中新宿からバス3本乗り継ぎ北沢峠に向かう。止む気配はなく一人なら中止にしているところだがラッキーなことに峠に着いたら止んだ。同行の人は小学3年の時槍ヶ岳に登り、その後北アルプスはほぼ全域歩き、剱八ッ峰等も経験しているツワモノ。最近はブランクあって本格的に登るのは約10年ぶりというが、歩き方はしっかりしていてさすがである。 僕のアルプスデビューは小6の時の白馬岳で惨憺たるものだった。嵐で同行の人達はあきらめムードのなか、絶対行くんだと言い張る僕を止められず強行することになった。体が飛ばされそうな強風、寒気の中大池から雷鳥坂を登る。ひょう、小石交じりの雨が真横から、時には下から吹き上げ、ゴアはまだなく全員安物のカッパを着て中の服はびしょびしょ、父親はカメラのシャッターまで濡らしてしまった。一人体温低下で震えが止まらず僕は疲労で意識朦朧となりながらも尾根道を延々と奴隷のように歩く。やっとの思いで山頂に到着。感激などなく白馬山荘に命辛々逃げ込む。翌日も翌々日も嵐。猿倉の橋は洪水で破壊され大雪渓は下りられず、遭難者、死者も出る始末。3日間ほとんど視界ゼロでやむなく雨の中往路を下山した。しかし自然への畏怖、尊敬の念もこのとき感じ小学校卒業間近に
「山へ行こう」
という友人がいて、中学時代は近場の低山によく登った。 今回はカネに余裕がなく僕だけテント泊にさせてもらった。重荷でバテ気味なのでこちらのペースに合わせてもらう。なんとか天気はもって無事馬ノ背ヒュッテ到着。
8/26 馬ノ背ヒュッテ 〜 仙丈ヶ岳 〜 北沢峠 〜 仙水小屋
小雨の降る中出発。一旦五合目まで戻り小仙丈尾根から登る。分岐点に着いた頃雨はあがった。森林限界から上は少し寒く風があり雲が激しく動いている。鋸、甲斐駒など姿をあらわしついに白峰の稜線も雄姿を見せてくれた。力強さと優美さをもつこの山からはいつも大きな感動を与えられる。小仙丈岳から先はまさに雲上のプロムナード。3000mの稜線漫歩!
仙丈ヶ岳登頂。大パノラマに歓声上げまくり。ため息も。一人でいても声を出しているだろう。南ア初の知人も
「素晴らしぃ〜」
藪沢登山道は展望がきかないので下山ルートに選んで正解。北沢峠に着いたときはすっかり終わった気分になっていたので仙水小屋までの登りがしんどかった。
仙水小屋の食事は噂通り刺身つきでかなり豪華 (僕は自炊)。食後明日の行程を協議。天気悪そうなので仙水峠で写真撮ってUターンに決まり。しかし夜中外に出ると夏の大三角に天の川、流星。「やっぱし・・
」 栗沢山まで足を伸ばすことに変更。
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