H19年秋  南アルプス 北岳周辺



ダケカンバの黄葉と北岳バットレス第四尾根 
10/5

白峰御池で幕営。近くにいた夫婦、テントのフレームが折れたため設営出来ず途方にくれた様子。あのゼロ戦と同じ超々ジュラルミンのポールが折れてしまったのだ。応急用のアルミのパーツを貸したら設営可能になり大変喜んでいた。


10/6

紅葉の北岳を撮りに大樺沢〜八本歯ノコル〜ボーコン沢ノ頭へ向かう。しかしガスってきたので北岳ピークハントに変更。ヤバイ、雪が降ってきた! 雪に対しては無防備だったのであせった。しかし積もることはなさそうだ。そのまま山頂を目指す。

北岳は今まで行った山の中で一番好きだ。この山の魅力は国内第2位の標高、高山植物の数、谷川、穂高、剱に匹敵する岩壁、夏遅くまで残る雪渓、稜線からのパノラマ、山そのものの形の良さ等いろいろあるが、それだけに10月の3連休となると多くの登山者がおしかける。岩オタク、花オタク、百名山病患者、写真オタク、僕のような単純山オタク、これらいくつか重複する複合山オタク等いろんなタイプがやってくる。人気の山だけに仕方ない。外人もちらほらいる。外人が初めて見たとき山腹をびっしり覆う原生林に驚くだろう。深田久弥先生曰く、「北の駒ヶ岳やアサヨ峰まで退いて望む北岳はまさに絶品である」 と述べられているが・・ 名著にもの申すのはなんだが甲斐駒からではちょっと遠いと思う。 平成8年の正月、鳳凰三山から見た北岳は本当に腰を抜かす程の素晴らしさだった。冗談でなく気を失うくらいの絶景だった。日本にこれ以上の景色はないと思った。外国の山を見てみたいと真剣に考えるようになった。山頂からの展望も特筆ものだ。北に花崗岩輝く甲斐駒ヶ岳。北東、北西に仙丈ヶ岳、鳳凰三山。南に間ノ岳、濃鳥岳、塩見岳という配置の素晴らしさ。そして諏訪、松本盆地を隔てて北アルプスの覇者、槍、穂高連峰と対峙している。初めて来たと思われる若い男のグループ、大パノラマに度肝を抜かしていた。こういった多様な魅力とはうらはらにこの “北岳” というシンプルすぎるネーミングがまたいい。ボクの勝手な見解ではあるがやはり北岳がアルプスの王なのだと思う。他の山は北岳の補佐役というかブレーンというか、そういう関係にあるとさえ思えてくる・・ 

なんつーことか10/6の写真メモリーカードのトラブルで全部パーになってしまった。自称傑作のガス湧く間ノ岳と濃鳥岳の2ショットも消えてしまった。苦労して登って撮ったのに、クソッ、腹立つーっ!

御池に戻ったのは4時頃。例の夫婦から 「トマトと野菜の煮込み作りますので良かったらご一緒に」 と言われたので 「大したことしてないのにすいませんねぇ。じゃ、折角ですから」 となった。この夫婦今日は小太郎山に登ってきたという。人は誰もおらず素晴らしい眺めだったとか。要チェックだ。今まで他に随分あちこち行ったようで奥穂〜西穂、白峰南嶺等にも行ったとか。うーん・・ なかなかやるじゃん・・ こういう場合国内の登山歴では大抵負ける。しかし、「ボクはテント持ってヨ−ロッパ・アルプスに行きました」 これで劣勢を補う。酒を飲みながら自慢話し合うのは大変楽しい。


10/7

きのうより天気がいいので再度八本歯の稜線を目指す。写真は全て10/7撮影。北岳バットレスが圧倒的な迫力で迫ってくる。濃いグレー、紫等の色彩の岩壁(水成岩)に、ダケカンバ、ハイマツなどのアクセントが美しい。

第四尾根に岩オタクが何組か張り付いている。


中央を望遠側で撮影 拡大画像

第四尾根上部 拡大画像

中央稜。新田次郎の小説に登場
富士山
八ヶ岳
思い出すとゾッとする平成6年の滑落現場。よくまあ生きて帰ってこれたと思う。キタダケソウは世界中でここだけに自生する。恐らく何株か潰してしまっただろう。いまだに申し訳ないという思いがある。
八本歯のコルから岩の脆いヤセ尾根を通過する。両サイド切れ落ちた厳しいところだ。無事通過すると世界が一変する。穏やかな夢心地の山稜が拡がっていて、振り返ると北岳が異様な色彩、巨大さで聳えている。尾根を挟んで間ノ岳、濃鳥岳、遠くに八ヶ岳と富士山。こんなに綺麗なのにメインルートの喧騒が嘘のように人は誰もいない。
間ノ岳3189m
北岳3193m バットレス全景

拡大画像
広角レンズで撮影。実際に見ると異様なくらいのデカさに圧倒される。

 

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